ジョエル・ロブション氏を偲び・・・・・

料理は愛から始まる芸術です。
人を愛し、食材を愛すること。
愛情は料理に現れます。
私たちシェフが料理をするとき、まず想うこと。
それは出来上がった料理をお客様が
心より美味しそうに嬉しそうに召し上がってくださる姿です。
絵画や映画など人の心を動かす全ての芸術がそうであるように、
料理もまた、創造するプロセスに厳しさを伴うもの。
時には、不安という壁に閉ざされて、身動きできなくなることもあります。
しかし、お客様のその喜びで輝くような笑顔によって支えられ、
料理がもたらす愛のメッセージによって励まされ、
私たちは常に前に進むことができるのです。
今日も私たちのつくる一皿が、皆様に幸せなひとときを贈ることを願って。
            ボナペティ!
                    ジョエル・ロブション

8月6日月曜、ジョエル・ロブション氏が73歳で亡くなりました。
月曜日、浅草のなべのismの渡辺シェフのFBで知って、
えっ?どういうこと?!
すぐ関係する方にお悔みの言葉を送り、
ショックすぎて、という言葉が返ってきて、私もショックすぎた。


そして今、この文章を読んでいたら感慨深く、涙が出てきました。
なんていうか、直接お会いしたことはないし、
ただ、フレンチ大好きな私は
ロブション氏から影響を受けただろう方が周りにたくさん存在する、
というだけなのですが。
言葉を交わしたこともないので、悲しいというより、
世の中にとって残念というか、そんな気持ち。
本当に、とてもとても残念です。
いつまでもいつまでも存在する方だと思っていて、
まさか亡くなるってことが想像できなかったのです。


そして、私にとってシャトーレストラン「ジョエル・ロブション」は
やっぱり特別な特別な存在。
19年前、まだ「タイユバン・ジョエルロブション」だった頃、
ここで大好きなフォアグラとクレームブリュレを食べ、
身体に衝撃が走って以来、フレンチという食事が
私にとって特別なものになったのです。


自力じゃないから自慢出来ないけど、
私の人生で唯一、19年間、
スペシャルな日には通い続けている、
シャトーレストラン「ジョエル・ロブション
一生、私にとってのスペシャルです。


心よりご冥福をお祈りします。
そして、たくさんの幸せのひとときをありがとうございました。
私も悔いのない人生を送れるよう、頑張ります。