埼玉のお屋敷 続編

入口には大きな門があり、門の外には立派な桜。

この桜はいったいどのくらいの昔から咲いていたのでしょうか?
伺ったのは4月8日ですから、丁度見頃で本当にきれいな花びらでした。

このお屋敷は江戸時代に味噌醸造所だったそうで、味噌を作り、
当時は東京まで続く水路を船で、江戸まで運んでいたそうです。

たくさんの職人さんがお屋敷で生活を共にし、全員で朝食を食べ、
毎日一緒に仕事をしていました。
現代の社会では住み込みで働く、ということがなかなか想像できませんが
どんな生活だったのでしょうか。
考えると今の私たちは幸せですね。

最後に見せて頂いたのは、天保3年と書いてある、小作料を納める帳簿のようなものだそうです。
これはまだ市役所に届け出ていない大変貴重な資料です。
当時の事でまだわからないことがたくさんあるので、
その解明の為、蔵に眠っていた資料をもう随分たくさん提出したそうです。
天保3年を調べたら、なんと今から178年前、1832年の事でした。
江戸時代、知っていそうな出来事は天保8年に大塩平八郎の乱がありました。
そんな頃から時を経て残っているものを手で触れるなんて、言いようのない感銘を受けました。


普通には想像のできない大変なことも、たくさん経験して現代にいらしたのでしょうね。
私のお客様にこんなお屋敷にお住まいの方がいらっしゃるなんて、
ちょっと日常を離れた体験でした。