日本の反省

まだ20代の頃だったと思いますが
う〜ん、と思う、悲しいというか、ストレスになる出来事がありました。


時々、仲の良い友達のおうちに遊びに行っていました。
友達は私よりいくつか年上で、そのお姉さんが更にもっと上。
一部上場の会社で役職もあり、バリバリ働くお姉さんは
まだ若い私にとっては大人の存在です。


ある日、近くでバザーがあったそうで、
お姉さんがご機嫌で帰ってきました。
「ねぇ聞いてよ。中古の自転車買っちゃったんだけど、いくらだと思う?」
「う〜ん、¥2,000とか?」
首を振るお姉さん。
「え¥1,000ですか?」
「¥500?」「ううん。」


まだ十分使えるきれいな中古の自転車。
なんと¥10で買ったというのです。
「え〜?どうしたんですか?!」と聞いたら
チャリティーで、売上は全て寄付金になるので、出ているものはいくらでもいい。
買い手の気持ち次第なんだそうです。
「いくらでもいいんですか?」とお姉さんが聞くと
「はい、いくらでもいいです。」
「じゃ、¥10でもいいんですか?」
「・・・はい。」ということで「じゃ¥10で買います。」と交渉が成立。


友達は「すご〜い!良かったね〜!!」と二人で大喜びでしたが
それ、おかしくないですか?
自転車を出品した人は少しでも誰かの為になれば、少しでも
高く買ってもらいたい、と思って出したはず。
なのに、その好意を無にするような¥10?!
少なくても一部上場の会社で、もしかしたら出品した人より
お給料を多くもらっているお姉さんを助けるためじゃないよね。
その人が聞いたらきっと、だったら友達にでも上げればよかったと
思うでしょうね。


まぁ、呆れました。
呆れたけど、その時の私はまだ若かったし、あんまりびっくりして
お姉さんにも友達にも「それはちょっと・・。」と上手に
おかしいって言えなかった。
それが今でも自分にとってストレスです。


お姉さんの会社で2,3人の旅行を頼まれ、
友達と一緒に会社に行ったこともあります。
お手洗いを借りて手を洗うと友達が「はい。」とトイレットペーパーで
手を拭くよう差出し「ハンカチ持ってるよ。」と言うと
「いいの、いいの。みんなやってるから。」
そういう問題じゃないような。
だってハンカチあるのに、わざわざトイレットペーパーを
無駄に使う必要ないし。
まー、これ、私が昔いた会社でもやってて、総務に言って
「使わないでね」っていう張り紙してもらいましたけど。


夏の暑い日に友達の家に遊びに行ったのに
やっぱりお姉さんの会社に行こうと誘われ、
行くとひろ〜いフロアでお姉さんがガンガンエアコンをつけて
一人で本読んでる。
は?
お姉さん曰く「ここだとエアコン代タダだし。こんなに涼しい。」


タダじゃぁないです!!
会社はお金払ってます。しかも、数十人のフロアで一人でエアコンつけて。
家のエアコンつけた方が安いです。


この人がどんなに仕事出来たって、企業はこういう人、
今の時代には絶対に置いておきたくないですよね。
お姉さんって、相当すごい人だったのだと思うけど、
それにしても、一昔前の日本って、他にもこういう人いたんだろうなと思う。


今年日本に振りかぶった出来事は、
こういう時代を反省しなきゃいけないことだったのかな、と思います。
一概には言えないけど我慢強く、つつましやかなイメージの東北の方が
日本を代表して犠牲になってしまったような気がしてしまいます。
だから他人事じゃなくて、自分の問題としてちゃんと受止めないと
いけないと、そんな風に思うんですよね。