サービスに頂点はない?

今日は少し長いブログになりそう。
心に感銘を受けたことを、書いてみます。


『サービスに頂点はない。どこまでも高いところを目指す。』
それが今までの私の考え方。

だけど、新しく始めるサービスにマニュアルはないから、
自主的に気がつくのか、お叱りを受けて気が付くようになるのか。
どっちが先かという、コロンブスの卵みたいな話。


最近、自主的に気が付くということにふと、不安を覚えてしまったのです。
「さすがだねぇ。」と思わせるサービス。
あるお客様に「女性らしい行き届いた、細やかなアレンジが貴社の特徴」と言われました。

それが一体、どこまで出来るのか?どこまでやってきたのか?
そもそも、私達のやろうとしていることは、些細な事、きめ細やかなことに
気が付く感性を持っていなければ、決して出来ない。
だってもともと気が付かない人は、お客様に対する気配りなんて
出来るはずがないもの。



初級→
・クリップが落ちていたら拾う
・コートが曲がってかかっていたら直す。

中級→
・お手洗いに同じタオルが何日もかかっていたら代える。
・来客中のお客様が長くなりそうだな、と思ったらコーヒーのお代わりを出す。

上級→
・雨の中やってくるお客様がいらしたら玄関にタオルを用意する。
・真夏の暑い日には、宅配便の方に玄関で冷たいお茶をさっと差し出す。


例えば、うちがしていることの一例です。
こんなことが自ら自然に出来る人は、
お客様にもこうしたらもっとわかり易くなる、これを調べたら喜ばれる。
そこに気が付くし思いつく。
苦ではなくサービスができる。


じゃあ、自然に出来ない人に教えるっていったいどうしたらいい?
繰り返し繰り返し、言って聞かせて感性を育てる。
他にもっと効率的な方法は?


そんなことを考えていたある日、同じ業界のある大手の社長様にランチに
誘って頂き、ホスピタリティの話しになりました。
思い切って私に降りかかったある課題を相談してみました。
私がサービスに対して悩みを抱えるに至った、その原因です。


社長様は一通り聞き終わると、
「それはね、そこまで出来る会社はないよ。」
「・・・え?それ、今、ものすごく気が楽になったんですけど。」
「だからね、そこまでやってるかなぴーはすごいと思うよ。」
「ほんとですか?!」
「うん、だけどね。もう1つ、それは一体いくらの利益があるの?
そうでしょ?お客様はたったそれしか利益がないと思ってないよ。
だけど、それを一生懸命やるのがあなたの良さだよね。
それがよくてお客様もあなたをかわいがってくれるんでしょ?
だから、かなぴーがそのサービスを続けるなら、
何かの機会でそれはきちんと伝えなくてはね。
その利益でそこまでやっていたら、会社を続けていくのは大変だよね。」


それは、今も課題であることは確かだけれど、
利益を度外視して求められれば頑張ってしまう自分もいる。
「全ての人を100%満足させるのは不可能だよ。みんな感じ方が違うからね。」
そう仰るその社長様ご自身のホスピタリティは、さすがのものなのです。
あー、この方はすごい。
私にとって、この日この社長様と会話が出来た事は
とても有意義な時間だった。
今の私も間違っていないのだ、という自信と、
今後、どうやって上質なサービスを編み出していくのかを、考え続ける力と
大きなヒントを与えて頂きました。


人はいつも、誰かに助けられて成長していくものですね。
これからもずっと、助けてもらえる自分と会社でありたいと思えた大事な時間でした。