ボスニアコーヒー

今日、巨大台風が直撃した夕方に成田に帰国しました。
台風のおかげでウィーンからの飛行機が飛ばず、
最後はウィーン市内観光にご案内、というおまけもつきました。
メインはクロアチアモンテネグロボスニア・ヘルツェゴニア、それぞれが
ユーゴスラビアからの独立国です。
家の壁には銃撃の跡があったり、内戦の傷跡も残る美しい国


ワインとシーフードとお肉と、露地栽培のみずみずしい野菜。
20年前まで内戦をしていたとは思えない、美味しいものもたくさんあります。
でもね、人々の暮らしは豊かとは言えない。


モンテネグロボスニアの2日間をガイドしてくれたのは
28歳の女性。
クロアチアの最も豊かな観光地、アドリア海の真珠と呼ばれるドヴログニクで
生まれましたが6歳の時、内戦に巻き込まれました。
家族は国外脱出を考えたそうですが父親が兵隊に志願し、
母と弟と、彼女は市内の解放されたホテルに
他の市民と一緒に寝泊まりし、生きることが出来たそうです。


首都ザグレブの大学でスペイン語を勉強し、去年卒業したけど
スペイン語を活かせる仕事がなく、普通の仕事もなく
実家に帰り、唯一働き口のあるツーリストの仕事をしているのだそうです。
でも、それも大体10月で終わり。
寒くて観光客の減る11月からはどうしようかと・・


選ばなければ仕事が全くない、などという経験もなく、
実際の内戦などとても想像出来ず、
日本とは何という違いでしょうか。
・・・これが世界の現実なのですね。


今は、世界中からたくさんの観光客もやって来ます。
きれいな国です。
私は特に、ボスニアモスタルという小さなかわいい街が好きですけど。
世界遺産の橋の周りに、川を見渡す段々になったレストランや
カフェ、お店が軒を連ね、レトロなカップボスニアコーヒーを飲む。

是非、皆様もお出かけ下さい。
そうすると多分、もちろん観光も楽しいのだけど、それだけじゃなくて
内戦の問題とか今まで知らなくても済んだことに
少し興味をもってみることが出来る気がします。